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Chill CARS|《フォルクスワーゲン ジェッタ(2nd)》TPOを選ばない、ツウ好みのオールラウンダー。

『カーサ ブルータス』2025年7月号より

| Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako   text_Izuru Endo   illustration_Daijiro Ohara

合理的なクルマを好む欧州市場では、1970年代からハッチバック車が販売の主流だった。ところが、北米市場やアジア・オセアニア・南米などの新興国では、フォーマルなイメージが強いセダンに一定の需要が存在した。

フォルクスワーゲン ジェッタ(2nd)
フォルクスワーゲン ジェッタ(2nd)
そこで多くのメーカーが、ハッチバック車の後部にトランクを「増設」したセダンを発売していた。

そのひとつが、ハッチバック車のベンチマークとも呼ばれる《ゴルフ》をベースに〈フォルクスワーゲン〉が開発した《ジェッタ》だ。初代《ジェッタ》は1979年に登場。《ゴルフ》の車体前半をほぼ共用して、追加したトランクを違和感なく合体させていた。

そして82年、《ゴルフ》が2代目の通称《ゴルフⅡ》に発展したことを受け、《ジェッタ》も進化。セダンは「3ボックス」とも呼ばれるが、より大きなトランクを備えた《ジェッタII》は、まさにボンネット・キャビン・トランクの「3つの箱」で構成されていた。

見るからに箱型な外観から察せられるように車内は広く、トランクの容積も575リットルを確保していた。これは、当時の同等サイズの国産車で比べた場合、車種によっては100リットル以上も大きかった。形状が機能を物語る好例のようなクルマといえる。

アウトドアでも重宝する高い積載力を持ち、フォーマルな場面にも合う《ジェッタII》は、TPOを選ばない隠れたオールラウンダーである。残存数も少なく、ツウ好みの道具という印象も魅力的だ。
《ゴルフII》と車体の多くを共用するが、《ジェッタII》は角型ヘッドライトを採用。
《ゴルフII》と車体の多くを共用するが、《ジェッタII》は角型ヘッドライトを採用。
ダッシュボードに並ぶ四角いスイッチ類は大型で押しやすい。ハザードスイッチはステアリングコラムに設置。
ダッシュボードに並ぶ四角いスイッチ類は大型で押しやすい。ハザードスイッチはステアリングコラムに設置。
セダンの美点である、適度に囲まれた感覚が心地よい後席。座り心地も良好だ。
セダンの美点である、適度に囲まれた感覚が心地よい後席。座り心地も良好だ。
トランク上面が高いハイデッキスタイルにより、優れた積載性を誇る。
トランク上面が高いハイデッキスタイルにより、優れた積載性を誇る。
《ゴルフII》と車体の多くを共用するが、《ジェッタII》は角型ヘッドライトを採用。
ダッシュボードに並ぶ四角いスイッチ類は大型で押しやすい。ハザードスイッチはステアリングコラムに設置。
セダンの美点である、適度に囲まれた感覚が心地よい後席。座り心地も良好だ。
トランク上面が高いハイデッキスタイルにより、優れた積載性を誇る。

country: Germany
year: 1984-92
seats: 5
size: L4,390×W1,680×H1,415mm
price: approx 1,800,000 yen

special thanks to Akito Matsuzaki
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。

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