
ファーンズワース邸
Farnsworth House(1951)
by Ludwig Mies van der Rohe
- Text: Mika Yoshida
- Photo: GION
1951年竣工。設計:ミース・ファン・ デル・ローエ。ミースの代表作にして、インターナショナルスタイルのアイコン的存在。シカゴ郊外、深い緑の中を進むとこのガラスの箱が行く手に現れる。独身の女性医師ファーンズワースがミースに依頼した週末用別荘だ。中央にキッチンやバスルームなどのコアを配したワンルーム。ドアノブひとつにもミースの美意識が見て取れる。1929年バルセロナ万国博のドイツパビリオンに展示されたバルセロナテーブルの現物も。が、この住宅は外から見る美しさもさることながら、内側からガラス越しに周囲を見回して初めてその真髄がわかる空間だ。この邸宅でミースが試みた建築的実験が、その後のモダニズム高層建築へと昇華した。